「出っ歯が気になって、人前で思いっきり笑えない…」「横顔の口元がコンプレックス…」そんな悩みを抱えながらも、高額な治療費を前に一歩を踏み出せずにいませんか?出っ歯を治したいけれどお金がない、という理由で理想の笑顔を諦める必要は全くありません。
実は、費用を抑えながら出っ歯治療を受ける方法はいくつも存在します。この記事では、出っ歯治療の費用相場から、お金がないと悩む方でも無理なく治療を始められる7つの具体的な方法まで、詳しく解説していきます。あなたに最適な治療計画を見つけるための第一歩として、ぜひ最後までお読みください。
出っ歯治療の費用相場は?なぜ高いのか解説
まず、なぜ出っ歯の矯正治療にまとまった費用が必要なのか、その理由と具体的な相場を理解しておきましょう。費用の全体像を把握することで、ご自身に合った支払い計画を立てやすくなります。
矯正方法別の費用一覧
出っ歯治療の費用は、歯並びの状態や選択する矯正方法によって大きく変動します。一般的に、治療範囲が広いほど、また装置が目立ちにくいほど高額になる傾向があります。
| 矯正方法 | 全体矯正の費用相場 | 部分矯正の費用相場 | 治療期間の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| マウスピース矯正 | 60万円~100万円 | 30万円~50万円 | 1年~3年 | 透明で目立ちにくい。自分で着脱可能。 |
| ワイヤー矯正(表側) | 70万円~110万円 | 30万円~60万円 | 1年~3年 | 最も一般的で多くの症例に対応可能。 |
| ワイヤー矯正(裏側) | 100万円~150万円 | 40万円~70万円 | 2年~3年 | 装置が外から見えず、審美性が高い。 |
※上記の費用はあくまで目安です。クリニックや治療の難易度によって変動します。また、費用には診察料や調整料が別途かかる場合があります。
マウスピース矯正の費用
透明なマウスピースを定期的に交換していくことで歯を動かす方法です。最大のメリットは、装置が目立たないことと、食事や歯磨きの際に自分で取り外せることです。費用は全体矯正で60万円~100万円程度が相場ですが、軽度の出っ歯であれば、前歯だけを対象とした部分矯正で30万円程度から治療可能なケースもあります。
ワイヤー矯正(表側)の費用
歯の表面にブラケットという装置を取り付け、ワイヤーを通して歯を動かす最もオーソドックスな方法です。歴史が長く、ほぼ全ての出っ歯の症例に対応できる適応範囲の広さが魅力です。費用は70万円~110万円程度が相場となります。ブラケットの素材を金属(メタル)にすると費用を抑えやすく、白や透明(セラミック、プラスチック)にすると費用は少し上がります。
ワイヤー矯正(裏側)の費用
歯の裏側(舌側)に装置を取り付けるため、外からは矯正していることが全く分かりません。接客業の方や、見た目を特に気にする方に選ばれています。ただし、専門的な技術が必要なため、費用は100万円~150万円と他の方法に比べて高額になります。
出っ歯の矯正治療が保険適用外で高額になる理由
歯科治療には保険が適用される「保険診療」と、適用されない「自由診療(自費診療)」があります。出っ歯を含む多くの歯列矯正は、「見た目を美しくする」という審美目的の治療と見なされるため、原則として健康保険が適用されず「自由診療」となります。
自由診療では、クリニックが独自に価格を設定できるため、使用する装置や材料、技術料などがすべて自己負担となり、結果として治療費が高額になるのです。ただし、特定の疾患(顎変形症など)が原因で、外科手術を伴う矯正治療が必要と診断された場合は、保険が適用される例外的なケースもあります。
出っ歯を治したいけどお金ない!費用を抑える7つの方法
「やっぱり高い…」と感じた方もご安心ください。ここからは、費用負担を軽減するための具体的な7つの方法をご紹介します。これらを組み合わせることで、無理のない支払いが可能になります。
1. 費用が安い「部分矯正」を検討する
「全体の歯並びは気にならないけど、とにかく前歯の出っ歯だけ治したい」という方には、部分矯正がおすすめです。
部分矯正は、気になる部分(主に前歯6~8本)だけを動かす治療法です。全体の歯を動かす全体矯正に比べて、治療期間が短く(数ヶ月~1年程度)、費用も30万円~60万円程度に抑えられるのが大きなメリットです。
ただし、奥歯の噛み合わせに問題がある場合や、歯を動かすスペースが大きく必要な重度の出っ歯の場合は、部分矯正が適さないこともあります。まずはご自身の歯並びが部分矯正の対象になるか、歯科医師に相談してみましょう。
2. マウスピース矯正や表側ワイヤー矯正を選ぶ
矯正装置の種類によって費用は大きく変わります。費用を重視するなら、審美性の高い裏側矯正よりも、比較的安価なマウスピース矯正や表側ワイヤー矯正を選ぶのが賢明です。
特に表側ワイヤー矯正の場合、装置の素材を審美性の高いセラミックやプラスチックではなく、丈夫で安価な金属(メタルブラケット)にすることで、さらに数万円~十数万円費用を抑えることができます。最近ではメタルブラケットも小型化しており、以前ほど目立たなくなっています。
3. 治療費の「分割払い(院内分割)」を利用する
多くの歯科クリニックでは、治療費を分割で支払える「院内分割」という制度を設けています。
これは、信販会社などを通さず、クリニックに直接治療費を分割で支払っていく方法です。最大のメリットは、デンタルローンのような金利や手数料がかからないケースが多いことです。ただし、一般的には治療期間内に全額を支払い終える必要があり、月々の支払額が高めになることもあります。分割回数や支払い条件はクリニックによって異なるため、カウンセリング時に確認してみましょう。
4. 「デンタルローン」を活用する
一度にまとまったお金を用意するのが難しい場合に最も一般的なのが「デンタルローン」です。
デンタルローンは、歯科治療に目的を限定したローンで、銀行や信販会社が提供しています。最大のメリットは、分割回数を長く設定できるため、月々の支払い負担を数千円~1万円台にまで抑えられることです。これにより、高額な治療も無理なく始めることができます。
金利はかかりますが、一般的なカードローンなどと比べると低めに設定されています。クリニックが提携しているデンタルローンを利用すると、手続きがスムーズに進むことが多いです。利用には審査が必要ですが、安定した収入があれば学生や主婦の方でも利用できる場合があります。
5. 「クレジットカード払い」でポイントを貯める
多くのクリニックでは、クレジットカードでの支払いに対応しています。一括払いはもちろん、カード会社の分割払いやリボ払いを利用することも可能です。
クレジットカード払いのメリットは、支払額に応じたポイントが貯まることです。高額な矯正治療費をカードで支払えば、まとまったポイントを獲得できます。ただし、分割払いやリボ払いはデンタルローンよりも金利が高くなる傾向があるため、利用する際は金利手数料をしっかり確認しましょう。
6. 「医療費控除」を申請して税金の還付を受ける
あまり知られていませんが、歯科矯正も医療費控除の対象になる可能性があります。
医療費控除とは、1年間(1月1日~12月31日)に支払った医療費の合計が10万円(または総所得金額の5%)を超えた場合に、確定申告をすることで納めた税金の一部が還付される制度です。
「審美目的」の矯正は対象外ですが、「噛み合わせの改善」や「咀嚼機能の回復」といった機能的な問題を解決するための治療と歯科医師が診断すれば、医療費控除の対象となります。出っ歯は噛み合わせに問題があるケースが多いため、対象となる可能性は十分にあります。ご自身や生計を同一にする家族の医療費も合算できるため、必ず確認しましょう。
7. モニター制度を利用して費用を抑える
クリニックによっては、症例写真の提供やアンケートへの協力を条件に、治療費が割引になる「モニター制度」を設けている場合があります。
割引率はクリニックや条件によって様々ですが、通常価格よりも安く治療を受けられる可能性があります。ただし、募集は不定期で、希望者多数の場合は選考があることも。また、ウェブサイトやSNSなどに顔写真が掲載されることもあるため、プライバシーの範囲については事前にしっかりと確認することが重要です。
【属性別】お金がない場合の出っ歯治療の考え方
置かれている状況によって、最適な費用の考え方は異なります。ここでは、学生と社会人・主婦のケースに分けて解説します。
高校生・大学生で治療したいがお金がない場合
学生の場合、ご自身の収入だけで高額な治療費を支払うのは現実的ではありません。まずは、保護者の方に「なぜ出っ歯を治したいのか」を真剣に相談することが第一歩です。見た目のコンプレックスだけでなく、噛み合わせの問題や将来的な健康への影響などを具体的に伝えることで、理解を得やすくなるでしょう。
保護者の協力が得られる場合は、保護者名義でデンタルローンを組むのが一般的です。もしご自身で支払いたい場合は、成人していればデンタルローンを組める可能性もありますが、アルバイト収入だけでは審査が厳しい場合もあります。焦らず、就職してからご自身で支払うという選択肢も視野に入れましょう。
主婦・社会人で治療したいがお金がない場合
社会人や主婦の方にとって最も現実的な選択肢は、デンタルローンや院内分割、クレジットカード分割払いの活用です。
まずは無料カウンセリングで治療費の総額を確認し、月々いくらまでなら無理なく支払えるかをシミュレーションしてみましょう。例えば、80万円の治療費を60回払いのデンタルローン(金利5%と仮定)で支払う場合、月々の支払いは約15,000円程度になります。これなら実現可能だと感じる方も多いのではないでしょうか。
また、医療費控除は忘れずに申請しましょう。年末調整では手続きできないため、ご自身で確定申告を行う必要がありますが、数万円単位で税金が戻ってくることもあります。
お金がないからと出っ歯を放置する5つのリスク
「やっぱり大変そうだから、もう少し先延ばしにしよう…」と考えてしまう気持ちも分かります。しかし、出っ歯を放置することには、見た目以外にも様々なリスクが伴います。
1. 虫歯や歯周病になりやすくなる
出っ歯は歯が重なって生えていることが多く、歯ブラシが届きにくい部分ができてしまいます。そのため、磨き残しから歯垢や歯石が溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが格段に高まります。
2. 口元のコンプレックスが悪化する
思春期から気にしていた口元のコンプレックスは、年齢を重ねても自然に解消されることは少なく、むしろ人とのコミュニケーションに消極的になったり、自信を失ったりする原因になりかねません。
3. 顎関節症のリスクが高まる
出っ歯は上下の歯の噛み合わせが悪い状態(不正咬合)であることがほとんどです。噛み合わせが悪いまま生活を続けると、顎の関節に過度な負担がかかり、「口を開けると音が鳴る」「顎が痛い」といった顎関節症の症状を引き起こすことがあります。
4. 発音に影響が出ることがある
歯と歯の隙間から空気が漏れることで、サ行やタ行などの特定の音が発音しにくくなることがあります。滑舌が悪い原因が出っ歯にあるケースも少なくありません。
5. 咀嚼機能が低下する
前歯で食べ物をしっかりと噛み切ることができないため、奥歯に負担が集中したり、食べ物を十分に噛み砕けないまま飲み込んでしまったりすることがあります。これは消化不良や胃腸への負担に繋がります。
出っ歯治療でお金がない時によくある質問(Q&A)
ここでは、費用面で悩む方が抱きがちな疑問についてお答えします。
Q1. 出っ歯は自力で押して治せますか?
絶対にやめてください。自分で歯を指で押したり、割り箸を噛んだりして治そうとすると、歯の根や歯茎、顎の骨を傷つけてしまう危険性が非常に高いです。歯並びがさらに悪化したり、最悪の場合、歯が抜けてしまう可能性もあります。歯の矯正は、専門的な知識を持った歯科医師の管理下で、精密な力をかけて行う医療行為です。
Q2. 保険適用で出っ歯を治すことはできますか?
前述の通り、通常の出っ歯治療は保険適用外です。ただし、「顎変形症」と診断され、外科手術が必要な矯正治療など、国が定めた特定の症状に限り、保険が適用される場合があります。ご自身が対象になるかどうかは、大学病院や矯正専門のクリニックで精密な検査と診断を受ける必要があります。
Q3. お金がなくても歯医者に相談だけでも大丈夫ですか?
もちろん大丈夫です。ほとんどの矯正歯科では、無料でカウンセリングを行っています。カウンセリングは、治療法や費用について相談し、検討するための場です。その場で契約を迫られたり、無理な勧誘をされたりすることはありません。まずは複数のクリニックで話を聞き、ご自身が納得できる治療計画と費用を提示してくれるクリニックを見つけることが大切です。
Q4. 治療費が10万円を超えたらどうなりますか?
年間の医療費が10万円を超えた場合、医療費控除の対象になる可能性があります。歯科医師に「機能改善のための治療」であると診断されれば、治療費や通院にかかった交通費(公共交通機関)などを申告することで、所得税の還付や住民税の軽減が受けられます。領収書は必ず保管しておきましょう。
Q5. 治療費が安いクリニックは危険ですか?
安さだけを理由にクリニックを選ぶのは注意が必要です。極端に費用が安い場合、経験の浅い歯科医師が担当する、質の低い材料を使っている、検査料や調整料などの追加費用が後から次々発生する、といったケースも考えられます。治療を始める前に、治療費の総額が明示される「トータルフィー制度(総額提示制)」を採用しているクリニックを選ぶと安心です。
まとめ:出っ歯を治したいけどお金がない方はまず無料相談から
出っ歯を治したいけれどお金がない、という悩みは決して特別なものではありません。高額な治療費は大きな壁に感じられますが、ご紹介したように、部分矯正や装置の選択、デンタルローン、医療費控除など、費用負担を軽減する方法は数多く存在します。
大切なのは、お金がないからと諦めて一人で悩み続けるのではなく、まずは専門家である歯科医師に相談してみることです。無料カウンセリングを利用すれば、ご自身の歯並びに最適な治療法と、それに伴う費用の総額、そしてあなたに合った支払いプランを具体的に知ることができます。
リスクを抱えたままコンプレックスに悩み続けるよりも、一歩踏み出して相談することで、理想の笑顔を手に入れる道がきっと開けるはずです。
免責事項:本記事は歯列矯正に関する一般的な情報を提供するものであり、医学的なアドバイスに代わるものではありません。治療に関する最終的な判断は、専門の歯科医師にご相談の上で行ってください。